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社内にWeb専門家がいなくても失敗しない! はじめての CMS比較・選定の進め方

「次のサイトリニューアルでCMSも見直したいんだけど、比較・選定をよろしくね。」
こう言われたときに、社内にWebやITの専門家がいないと、多くの担当者さんは様々な不安が出てくるかと思います。

・CMSの種類が多すぎて、どこから手をつければいいかわからない
・色々提案は来るけれど、どれが自社に合っているのか判断できない
・間違った選定をして、あとで「なんでこれにしたの?」と責められたくない

確かに、「CMSの専門家ではない担当者さん」が、ゼロから完璧にCMSを一人で選びきるのは、かなり難しいものです。
しかし、「現実的な選定プロセスの型」を持つことで、迷いを大きく減らし、社内に説明できる“納得感のある選び方”は専門的な知識がなくてもできます。

本記事では初心者さんでもわかりやすいように、
CMS導入・運用の専門家  田島の、プロ視点のポイントもいれつつ、

CMS比較・選定を進める3つのステップ
STEP 01
目的と前提条件を整理する
STEP 02
候補CMSをリストアップし、「比較軸」を決める
STEP 03
ベンダーからの情報を「同じ物差し」で比較する
さいごに…
迷ったときの「決め方」のコツ

という3つのステップでCMS比較・選定の進め方を解説していきます。早速見ていきましょう!

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CMS導入・運用の専門家

田島邦彦

アカウントディレクター・マネージャー

主にCMS構築の案件をディレクターとして担い、チームマネージャーを兼任。Web制作、マーケティングに関する専門誌「Web Designing」にて、 CMSの専門家として複数回取材を受けています。

掲載実績
Web Designing(2023年10月号、2022年4月号、2021年4月号、2020年2月号、2019年4月号)
Web Designing Web版「CMS選定の教科書 2026年版」インタビュー掲載

「CMSに詳しい人がいないから決められない」は、よくある状況~多くの中堅企業で、Webは“兼務の誰か”が担当している~

まず安心していただきたいのは、「CMSに詳しくないのは自分だけではない」ということです。
私たちは次のようなご担当者さんからご相談をいただくことが多いのです。

  • 広報部や営業で、他の業務と兼務でWebサイトを任されている人
  • マーケティング担当ではあるが、CMS周りの知識はないまま、前任から引き継いで「Web運用」を任されている人
  • IT部門はあるが、インフラや社内システムがメインで、Webサイトには詳しくない会社

こうした会社では、「CMSの比較・選定」は担当者さん本人にとっても初めての経験で、社内にも聞ける人がいません。
その結果、

  • 「とりあえず有名なWordPressでいいのでは?」
  • 「今お付き合いしている制作会社さんがおすすめするCMSにしておこう」
  • 「上場企業の事例でよく見かける製品なら安心だろう」

といった、“なんとなく安心そうな選び方”に流れてしまいがちです。

「現実的な選定プロセス」が必要

ただ、このような“なんとなく”の選び方には、大きなリスクがあります。
・運用が思った以上に大変で、結局社内で更新できない
・ライセンス費や保守費が高く、コストだけが重くのしかかる
・「こんなはずじゃなかった」と思っても、簡単には乗り換えられない

CMSは、一度選ぶと数年単位で付き合うことになる“基盤”です。
「今のプロジェクトを乗り切れればいい」ではなく、「3〜5年後の会社の姿」まで含めて選ぶ必要があります。
ポイントは、「すべてを理解する」ことや、「CMSそのものに詳しくなる」というより「どう判断するか」のプロセスを決めることが重要なのです!

ステップ1:サイトの役割と前提条件を整理する

よく見かけるCMSの比較表記事” を見る前に、まずやるべきことがあります。
それは、「自社の目的と前提条件を整理し、言語化しておくこと」です。
ここが曖昧なままCMSを比較し始めると、

CMS比較で起こりやすい失敗例
ベンダーごとに推すポイントが違って、頭が混乱する
CMSの機能一覧だけを見比べることになり、決め手を見失う
高機能なのは伝わるけれど、予算に見合うのか判断できない

といった状態になりがちです。

「このサイトは、何のためのインフラか」を決める

とくにBtoB企業のWebサイトは、単なる会社案内ではなく、「営業・採用のインフラ」としての役割を持っている場合が多いです。

その中でも、
・営業の商談前後に見せる「説明のためのサイト」なのか
・新規リード(問い合わせ)を増やしたいのか
・採用応募の質と量を高めたいのか

など、まずは主な役割を箇条書きでよいので書き出してみてください。

決めておきたい5つの前提

CMS選定前に整理したい5つの前提条件

次に、CMS選定に直結する「前提条件」を整理します。
最低限、以下の5つは一度立ち止まって考えておくのがおすすめです。

01 メインのターゲット

例:新規の法人見込み顧客/既存顧客の担当者/中途採用候補者 など
ターゲットによって、「更新し続ける情報」の種類が変わります。

02 サイトのKPI(指標)

例:月間の問い合わせ件数/資料ダウンロード数/採用応募数 など
KPIによって、「どのページをどう運用するか」が変わるため、CMSに求める機能も変わります。
また、営業から見て「説明がしやすくなったか」「商談の質が上がったか」などの定性指標も必要です。

03 運用体制(人数とスキル)

担当者は何人いるのか(実質何人分働けるか)、HTMLやCSSを多少触れる人がいるのか、まったくいないのか、権限を分ける必要があるか(営業部門が自分で更新したい等)
や、外部制作会社にどこまで任せるのか(初期構築だけ/運用も含めて継続か)など

04 セキュリティレベル

社内の情報システム部門は、どの程度セキュリティ要件を求めているか、クラウド(SaaS型)を許容できるのか、オンプレミス(自社サーバー設置)が必須なのかや、外部サービスとの連携(MAツール、SFA、採用管理システムなど)はどこまで想定しているかなど

05 予算レンジと導入期限

初期構築費用として、おおよそどのくらいまでなら許容範囲か、ライセンス費や保守費として、月額・年額いくらまで想定しているかや、「いつまでに移行したいのか」(法改正・展示会・採用シーズンなどのイベント有無)など

田島のプロ視点ポイント! 〜CMSは目標を達成させるための手段〜

このあたりをできれば関係者(情報システム部門や経営層)と話し合いながら、「前提条件」として合意しておくことをおすすめします。ここまで整理できると、

「うちはオンプレミス環境は難しいため、SaaS型またはクラウド前提のCMSにしよう」

「更新担当者はノンエンジニアなので、見た目で編集できることを重視しよう」

といった形で、CMSの候補を最初からある程度絞り込めるようになります。
ただ、ここで大事なのは完璧に書くことではなく、「自社として何を重視したいか」をはっきりさせることです。

CMSは目的を達成するための「手段」です。
目的が明確になるほど、CMS比較・選定は進めやすくなりますよ!

今すぐ使える目的整理テンプレート

CMS選定前に整理しておきたい「サイトの役割・前提整理シート」

メモ帳やExcelにそのままコピーして、自社の状況を書き出してみてください。 この整理を行うだけでも、「何となくCMSを探す状態」から「自社に合うCMSを探す状態」へ進みやすくなります。

【サイトの役割・前提整理シート】
■ サイトの主な役割
営業向け:
採用向け:
その他(既存顧客/社内向けなど):
■ メインターゲット(優先度順)
第1ターゲット:
第2ターゲット:
第3ターゲット(あれば):
■ KPI(追いたい指標)
KPI1:
KPI2(任意):
■ 運用体制
担当部門:
担当人数(実質の稼働イメージ):
Webスキルレベル(例:HTMLはほぼ触れない/画像の差し替え程度は可能 等):
■ セキュリティ・可用性
情シスとの連携状況:
クラウド利用可否:
サイト停止許容度(どの程度まで止められるか):
■ 予算・スケジュール
初期費用イメージ(◯◯万円〜◯◯万円くらい):
年間費用イメージ(◯◯万円〜◯◯万円くらい):
希望リリース時期:
その理由:
  

ステップ2:候補CMSをリストアップし、「比較軸」を決める

目的と前提が整理できたら、いよいよCMSの比較・・・ですが、ここで大事なのは、「CMS名」から入らずに、先に“比較の物差し”を決めておくことです。

よくある失敗:「名前」から探してしまう

制作会社から「WordPressがいいですよ」「Movable Type使いやすいです」と聞いたり、ネットで「中規模の企業には○○CMSが人気」といった記事を読んだりしたと思います。
こうした情報はもちろん参考になりますが、ここで大事なのは、

・「自社にとって大事な比較観点」を決める
・そのうえで、各CMSの情報を、その観点に当てはめて見る

という順番に整理することです。

BtoBサイトでよく使う「比較軸」の例

中堅〜大企業のBtoBサイトでCMSを選ぶとき、よく使われる比較軸を挙げてみます。

    CMS比較で確認したい5つの比較軸

    中堅〜大企業のBtoBサイトでは、単純な機能数だけではなく、 実際の運用や将来的な拡張性まで含めて比較することが重要です。

    01. 運用性

    ・更新画面が担当者にとってわかりやすいか
    ・ワークフロー(下書き→承認→公開)の組みやすさ
    ・権限管理(部門ごとの編集権限など)

    02. 拡張性

    ・多言語対応のしやすさ
    ・会員制エリアやフォーム連携が将来的に作りやすいか
    ・他システム(MAツール、SFAなど)との連携余地

    03. 保守性・セキュリティ

    ・バージョンアップの方針や頻度(自動/手動、頻度)
    ・脆弱性対応のスピード
    ・ベンダーや開発元のサポート体制

    04. コスト

    ・初期構築費用
    ・ライセンス費用(買い切り/サブスクリプション)
    ・保守費用(年額)

    ・社内運用工数(どの程度、社内担当者に負荷がかかるか)

    05. サポート・ベンダーの伴走力

    ・導入時のサポート範囲(設計〜構築〜移行〜テストまで、どこを見てくれるか)
    ・公開後の改善提案があるか
    ・トラブル時の相談窓口が明確か

    他にも、 既存システム(認証基盤など)との相性や、オンプレミス/クラウドの選択肢 などが加わるケースもあります。この中から、貴社の状況に照らして「特に重視するもの」を3個ほど選んでおくとよいでしょう。

    ここまで整理ができたら、実際にCMSを検索、調べて色々比較・評価してみましょう。表をつくるのもよいと思います。
    注意点として、「完璧な評価」を目指す必要はありません。
    ベンダー担当さんから話を聞きながら、都度アップデートしていく前提で、
    「現時点での仮評価メモ」くらいの気持ちで作るのがコツです。

    ステップ3:ベンダー提案を「同じ物差し」で比較する

    ここまで準備できたら、いよいよベンダー各社と話し、提案を受けるフェーズに入ります。この段階で多くの担当者さんが感じるのは、
    ・各社の資料がバラバラで、比較しづらい
    ・「うちのCMSなら大丈夫です」と言われても、本当にそうなのか判断できない

    というもどかしさです。
    ここで効いてくるのが、「同じ物差し=比較軸」を先に決めておいたことです。

    営業トークではなく、要件に照らして評価する

    CMS導入・リニューアルの場面では、よくこんな声を聞きます。

    「A社はWordPress推し、B社はMovable Type推し」
    「どの会社も自分たちの得意なCMSを薦めてくる」
    「結局、自社に合うものが分からない」

    ここで迷子にならないために、ベンダーの担当さんと話すときは、「自社の前提条件と比較軸」を活用していきます。
    たとえば、次のような形です。

    確認時の伝え方(例)

    当社のサイトの目的は◯◯で、主なターゲットは△△です。
    更新担当者は、Web専門ではない××部のメンバーです。
    重視している比較軸は「運用のしやすさ」「多言語対応」「保守性」です。

    この前提を共有したうえで、
    ・「運用のしやすさ」について、具体的にどのような機能・設計で実現しているか
    ・多言語対応をするときに、運用負荷がどの程度になるのか
    ・保守やバージョンアップは、ベンダーと貴社のどちらがどこまで対応するのか

    …といった質問を投げていくと、
    各社の回答を“同じ観点”で並べて比較しやすくなります。
    「うちのCMSは大企業でも使われています」「有名企業の事例がたくさんあります」といった“安心材料っぽい”話だけで判断しないことが大切です。

    田島のプロ視点ポイント! そのほか、ベンダーに聞いておきたい質問例

    提案資料だけではわからないことは、遠慮せず質問して構いません。むしろ、「質問にどう答えてくれるか」自体が、そのベンダーの信頼性を見る材料になります。具体的には、以下のような質問を聞いてみるのもよいでしょう。

    このCMSが苦手なこと、あまり向いていない使い方は何ですか?
    運用担当が兼務で専門知識があまりない、という前提で
    更新フローやトラブル時のサポートはどこまで対応してもらえますか?

    「セキュリティアップデートやバージョンアップは、 どの程度の頻度・工数が発生しますか? その際の費用イメージも教えてください」

    「5年後に海外拠点が増え、多言語サイトを3つ追加したい場合、構築・運用コストはどのくらい増えそうですか?」

    「メリット」だけでなく、「弱み」や「制約」を聞くことや、
    具体的なシナリオから質問しておくことで、
    後から「こんなはずじゃなかった」を減らすことができます。

    社内合意を取りやすくするためのまとめ方

    「次のサイトリニューアルでCMSも見直したいんだけど、比較・選定をよろしくね。」
    と言われてから・・・この記事のように色々整理し、比較選定された方、お疲れ様でした!

    最終的には、上司に報告し→社内で合意を取る必要がありますよね。

    CMS選定後の社内合意で意識したいポイント

    特に、WebやCMSに詳しくない経営層や他部署に説明する際には、

    説明するときに大切なこと

    ・専門用語をできるだけ避ける
    ・「なぜこのCMSを選ぶのか」を簡潔に伝えられるようにする

    合意形成に役立つ資料例

    例えば、次のようなシンプルな資料を用意すると、合意形成がスムーズになります。

    ・目的と前提条件(サイトの役割、ターゲット、KPI、運用体制、予算レンジ)
    ・比較したCMSの候補
    ・各CMSの評価(重視した比較軸ごとに、◎◯△などで整理)
    ・第一候補を選んだ理由(3〜5年後も見据えた説明)

    CMSの名前で決めるのではなく、自社の条件に合っているかで判断することが大切です。

    ・「当社の条件だと、運用しやすさと保守性のバランスが最も良いのはこのCMSです」
    ・「多言語対応や将来のサイト拡張を考えると、ライセンス費は少し高いものの、長期的な総コストではメリットがあります」

    といった、納得感のある説明ができるようになります。

    迷ったときの「決め方」のコツ

    最後の判断で意識したい2つの考え方

    ここまで来ると、おそらく候補が絞れているかなと思いますが、それでも最後の一歩が踏み出せないときに意識したい考え方をご紹介します。

    01

    「完璧なCMS」は存在しない前提で、優先順位をつける

    まず前提として、すべてにおいて自社に都合がよい100点満点のCMSは存在しないと考えておいた方が楽になります。
    必ず「トレードオフ(何かを取って、何かを諦める)」があります。
    そのうえで、あらためて自社にとっての優先順位を整理してみてください。

    02

    5年後に「変えてよかった」と言えるかで考える

    もう一つの視点は、「5年後の自社をイメージする」ことです。CMS導入は、数ヶ月で終わるイベントではなく、数年~5年単位で付き合うことが多い基盤投資です。

    ・初期費用だけでなく、5年間のトータルコスト
    ・新しいコンテンツやサイト構成を追加していく際の柔軟性
    ・担当者が変わっても運用を引き継ぎやすいか

    といった観点で、「5年後」を想像してみてください。「5年後の自分(または後任の担当者)」が、そのCMSとパートナーを見てどう感じるか、という視点も役に立ちます。

    田島のプロ視点ポイント! 最後は「運用を一緒に支えてくれる相手か」で決めてもいい

    実務的な話をすると、同じCMSでも「導入して終わり」のベンダー(や制作会社)と「運用〜改善まで一緒に考えてくれる」パートナーでは、数年後の成果に大きな差が出ます。その意味で、迷ったときには、CMSのスペックだけでなく、「誰と組むか」も含めて選ぶという考え方もあります。

    ・兼務Web担当として、自分の判断をサポートしてくれるか

    説明責任を果たすための資料作成や社内説得も一緒に考えてくれるか

    問題が起きたとき、「担当者のせい」にせず構造から見直してくれるか

    こうした視点でパートナー候補を見ると、
    単なる「CMS選び」「制作会社選び」から一歩進んだ選び方ができるはずです。

    まとめ:しっかり整理ができれば、「専門家じゃない自分」でも前に進める!…けど困ったときはプロに相談を

    ここまで、社内にWebの専門家がいない会社のためのCMS比較・選定の進め方を、3つのステップでご紹介してきました。この流れを押さえておくだけでも、「なんとなくWordPress」「なんとなく有名な製品」という選び方からは、一歩抜け出せるはずです。

    とはいえ、

    ・実際に自社の状況を当てはめると、どのCMSが良さそうかまでは判断しきれない
    ・情報システム部門や経営層との調整もあり、一人で責任を負うのが不安
    ・ベンダーごとの提案内容や見積もりを、第三者の目で一度整理してほしい
    ・ほかの業務が忙しすぎてやりたくてもそこまでできない…!

    ・・・という方へ、アリウープでは、こうした「社内にWeb専門家がいない会社の、CMS選定・サイトリニューアル」でも安心してプロジェクトを進めていただけるように、しっかりサポートいたします!

    私たちがCMS選定をお手伝いするときに、特に大事にしているのは次のような点です。

    ・特定のCMSありきで話を進めない
    ・「担当者さん一人が背負う」前提ではなく、社内で合意しやすい判断材料を一緒に整理する
    ・目先の制作だけでなく、リニューアル後の運用とアクセス解析、改善プロセスまで見据えて設計、しっかりサポートする
    このようにお悩みの方や、「うちの会社の状況だと、どう考えたらよさそうか、一度相談してみたい」という方は、オンラインの無料相談をお気軽にご利用ください。

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    監修

    Kunihiko Tajima

    Account Director /
    Manager

    CMSに関わる案件を中心に、Web業界で約10年間ディレクターに従事。アリウープでは、プレイヤーとしてPJ管理やCMS構築ディレクションを担いながら、ディレクショングループマネージャーも兼任。
    オンオフはしっかりと分け、休日は娘と過ごす時間を大切にしています。