“互いの専門領域で補い合える関係を続けていきたい” 株式会社インタークエスト

井川:ホームページやSNSなど、Webを活用した広報をメインで行っています。もともとは広報企画グループというところの一つの小さなチームとしてやっていたんですけども、昨今の状況を踏まえてWebに特化したグループを作ろうと2014年の7月に発足したまだ出来立てのグループです。
ミッションとしては、原子力発電の安全性への疑問・不安などに対し、適切な情報を発信し社会のみなさまの理解を得ていくことがまず1つあります。ほかには、一般のお客様が行うお手続きなどについて営業部門と一緒になって使いやすいサイトに改善していくことも行っています。
上田:どこの会社でも同じような広報室の役割があると思いますが、ご存知の通りこれから電力の自由化を迎えるにあたり、我々としてはとても厳しい状況に置かれています。
原子力への理解も得ていかないといけないですし、自由化に向けて競争力も高めていかないといけないという一方で、電気料金の値上げもあり、お客様からは厳しいご意見もいただいています。
今までのようにテレビCMへ多くのコストはかけにくい現状のなかで、Webを使って比較的コストをかけずに多くの方にリーチしていこうという方向性になってきていますね。
上田:過去の関西電力のWebサイトにおいては「(情報を)出してるでしょ?」「情報公開しているでしょ?」という一方的な発信になっていて「本当に伝えたい」という思いがお客様にはあまり伝わっていなかったのではないかなと。世間から厳しいバッシングを受けつつも、電力をお届けするために日々愚直にまじめに努力している一面も広報室としてはきちんとお伝えしていく必要があると感じています。また、お客様からみればもっとほかに知りたいこともあるわけですが、その知りたい情報をわかりやすく発信するという点も常に意識していますね。
上田:ここ数年の広報室の取り組みの中でも画期的といえるかと思います。2012年の1月にFacebookをはじめましたが、電力会社の中でFacebookを立ち上げたのは関西電力が一番最初でした。ファン数や反応率でも、電力業界の中では今のところは一番です。順調にちょっとずつ前に進んでいるのかなと。
上田: 約3年前の2012年にそれまでいたIT関係の部署から広報室へ異動になりました。まずはしっかりとしたパートナーさんを見つけて自分の持っていないところを補ってもらいたいと。
当時お付き合いのあったベンダーさんなどに声をかけて、何社か会ったんですが、最初に河野さんとお会いしたときに、印象が…結構スマートな感じだな、と(笑)。スマートで、当たり障りのない表向きの話というよりは、なんとなく浸透してくるような。
河野:初めてお会いした時のこと、鮮明に覚えています。
上田:失礼ながら自分は試すわけですよね。「この会社どうだろう?」「この社長はどうだろう?」とか。なのでいろいろ聞いたりするんですけど、その時のアンサーがスッと入ってくるというか、腹に落ちるというか。他社の方だと一般的な話しかなかったのですが、こういうところはアリウープの強みでこういうところが若干心配なところがある、というところも含めて河野さんは具体的にすべて出して、その上でお付き合いをさせてください、と。
お見合いみたいなもんですね。最初のときにいいことばかり言って、後からボロが出てくるよりは、最初のうちに自分の得意とするところ、そうでないところをちゃんと話してもらって。得意としているところが私が求めているところであったし、「面白いな」と。
上田:まずテンポよく一緒に仕事を出来る相手かどうか?というところかな。「持ち帰らせてください」とか好きではないです。あなたの考えを聞きたくて意見を求めているわけで、「持ち帰らせてください」って誰と相談するの?と。
河野さんに初めて会った時、いろいろ資料を見せてもらったなかで…
河野:「この資料、悪いけど譲ってもらえない?」と(笑)
上田:躊躇なく「ナイショですよ」って提供してくれて(笑)。書いてある内容も結構良かった。わかりやすいし。PowerPointの作り方だけでも勉強になるな、と。
河野:おっしゃっていただいてましたよね「それそのまま使っていい?」とか。他に作ったスライドでも、一個一個ちゃんと意味があるというのがわかりやすい、とか…
上田:私的な基準の中での「センスが良い」と。この会社さんなら。見た目のデザインとかそういうセンスだけでなくて、ビジネス的なセンスもいいだろうな、と。PowerPointを上手に作れて、人に納得できる説明資料を作れる人というのは、きっとお客様にとって分かりやすいWebコミュニケーションデザインなんかも作れるだろう、と。
上田様・井川様
河野:それ自体がコミュニケーションでしょうね。PowerPointが媒体なのか、Webが媒体なのかの違いだけですよね。
「最初に上田さんと会ったときどうだったかな」と、今日電車に乗りながら思い返していたんですけれど、当時会社を設立してまだ2年目だったんです。会社案内をベースに自社の説明をすると、ほとんどの企業のご担当の方が会社の規模とか、資本金とか、設立から何年経ったとか、実績がどれだけあるの?というところから入られる。
関西電力さんのような大きな会社ならなおさらそういう点を見られるかな、と思ってお会いしたら、簡単に言うと「そういう視点での会話じゃなかった」。基本的な確認はするんですが、それを重視していないな、と会話の中で直感的にわかりました。「これは、ちょっとタイプが違うな」と(笑)。
河野:その時やろうとしていた課題とか取り組みがいくつかあって、「このうちアリウープさんって相談したら何をできそう?」って聞かれて3つか4つほどピックアップしたんですよね。
次回にその提案をお持ちしますと言ってその場で日程調整もしたんですが、「来週でいい」と言っていたところを、こちらは「この人は、良い意味で期待を裏切ってくる提案を待っているな」と感じたので、あえて上田さんの打診日程を断ったんです。「提案準備に一週間もいらないです。2日あれば十分なので、今週に打ち合わせさせてください」と。その時に上田さんがニヤリと笑われて、口には出していなかったですが「そうそう、このスピード感」と満足されていたように感じました。
上田:意気投合した。そういうところがうれしいですね。
今までいろんなコンサルティング会社とかお付き合いをかなりしたんですけど、やっぱり「人」なんですよね。会社って言うよりは「この人であれば何か期待できるであろう」みたいな。その人がいい腕の職人さんかどうか。Webデザイナーとかライターさんもクリエイターさんも、全部含めて職人さんだと。私が持っていない職人の技量をセンスも含めて持っているか、それを見極めるというところが大事なんだな、と。
井川:今までの関西電力のサイトは「堅い」「ダサい」みたいなイメージがあったのを、できるだけ柔らかい、かっこいいページにしてもらえたと感じてます。それも単純にかっこ良くして華やかにするというんではなくて、関西電力の事業内容や経営状況をちゃんと十分理解してくれた上での提案をしていただいているというのが非常にありがたくて。
「Action for “___” !!!」でも「一意専心」でも「いいやん」という、今までの関西電力にないようなコンテンツだし、こういうのをどんどん作っていこうという声が社内でも非常にあがっています。そういったのをコンテンツとして、Web全体としてもアリウープさんにご協力いただけたらと思います。
上田:社長あまり東京行くな、ってことかな(笑)。アリウープさんって私や他のメンバーからしても「かかりつけ医」みたいなものなので。我々の会社は「電気」という目に見えない商品を扱っている。何をお客様にPRしたらいいのか?非常にホームページで訴求するにしても難しい。本当に難しいオーダーに応えてもらっていると思うんです。その過程でアリウープさんも育っていっているんではないかと。少しおこがましいですけれど。それでお互いが想像力をスパイラルアップしていくと、Win-Winでいい関係でできるんじゃないかなと。“伝える”だけでなく“伝わる”Webサイトづくりについて、これからも、いろんなアドバイスをしてほしいなと思います。
やっぱり最後は「人と人」と語る上田様。大きな期待を寄せていただいている分、アリウープのスタッフも、毎回の提案が1対1の真剣勝負です。 上田様、井川様、大変貴重なお話をありがとうございました!
インタビュー実施日:2015年6月3日
関西電力 公式サイト
http://www.kepco.co.jp/