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LLMOとは ‐Webサイト集客における生成AI対策‐

LLMOとは(Large Language Model Optimization)のことで、生成AIの回答に自社の情報が掲載されやすくするための手法です。SEO(Search Engine Optimization-検索エンジン最適化)の生成AI版と考えるとわかりやすいです。

今までは自社サービスへのお問い合わせがあった際に、検索で見つけたという場合が多かったと思いますが、最近ではchatGPTに聞いておすすめされたという問い合わせもちらほらと出ているのではないでしょうか。

また、Googleの検索結果に表示されるAIオーバービューに、自社の情報が表示されているといったことも起きています。
こうした変化の中で、Webサイトの集客においてどんなことに気を付けたらよいのか、どうしたら生成AIに引用・参照されやすくなるのか、この記事にて紹介したいと思います。

LLMO-どのようなコンテンツが求められるのか

まず初めに注目すべき点はAIオーバービューの登場による影響です。

AIオーバービューはGoogle検索の検索結果画面に下記のように表示されます。

これによって、単純な回答を求めるような検索ではクリック数が大きく減少しています。

例として、アリウープのサイトではクリック率がAIオーバービュー登場以前の4.5%から2.8%へ大幅に減少した記事があります。その記事ではサイト分析に関する単語を解説していたため、記事をクリックしなくてもAIオーバービューに記載されている単語解説で十分理解できるものでした。

AIオーバービューに関するAhrefsとAmsiveの調査によれば、AIオーバービューが表示される検索では、通常の検索結果のクリック率が34.5%減少することが明らかになっており、自社のWebサイトへの流入への影響が出ている場合があります。

一方で、アリウープのブログでサイト分析のレポート作成方法を記載し、レポートのテンプレートをダウンロードコンテンツとして掲載しているような記事ではクリック率に大きな変化はありませんでした。このように、以前からSEOにおいて重要とされる経験に基づいた独自性・豊富な知識をもとにした専門性のあるコンテンツ(E-E-A-T)はLLMOにおいても重要となります。

また、上記のようなE-E-A-Tを重視したコンテンツを作成することで、検索エンジンでの評価が高まります。検索エンジンでの評価が高まることで、LLMが検索連携で拾いやすくなるといった好循環が生まれます。

「E-E-A-T(専門性・権威性・信頼性)」についてはこちらの記事もご覧ください
※【初心者向け】Googleに"有益なサイト"と評価されるには!?SEO基礎知識徹底解説

LLM(大規模言語モデル)に適したライティング

生成AIに引用・参照されやすくするためには、「効率的な情報伝達」を重視したライティングが必要となります。

LLMには「コンテキストウィンドウ」と呼ばれる処理上限があり、GPT-4oで約128kトークンです。この制限のため、情報は短く要点をまとめた方が処理・活用されやすくなります。

例えば、下記のような文章が簡潔で情報密度が高い文章となります。

「当社のWebコンサルティングサービスは、アクセス解析に基づいた改善提案、SEO戦略立案、集客強化のためのサイト改善を提供します。月額15万円から利用でき、BtoB企業のリード獲得や売上向上を支援します。」

一方で、下記のような文章は冗長で情報密度が低い文章となります。

「私たちのWebコンサルティングサービスは、お客様のWebサイトをより良いものにするために幅広いサポートを行っております。まずはアクセス数や検索順位などを確認し、その結果を踏まえて改善点を探していきます。そしてSEOの面でも強化できるポイントを一緒に考えながら戦略を立て、最終的にはより多くのお客様にWebサイトを見てもらえるようにします。料金体系については案件ごとに異なりますが、柔軟に対応していますのでご相談ください。企業規模を問わず、多くの方にご利用いただけます。」

上記は抽象的表現が多く、情報が曖昧で料金や対象が不明確、文章が回りくどく、要点が埋もれているといった問題点があります。

文章が簡潔で情報密度が高い文章を心がけることで、人間だけでなくAIにとっても読みやすくなるため、今後のコンテンツ作成の際に意識するポイントとなります。

LLMs.txtの有効性

LLMOにおいて、LLMs.txtというサイトマップに類似したファイルを作成することで生成AIにWebサイトの内容を理解してもらいやすくなるという言及があります。

一方で、Googleのジョン・ミューラー氏は、「参考までに、現在llms.txtを使用しているAIシステムはありません」とブルースカイに投稿しています。

現状ではLLMs.txtファイルによって生成AIに引用・参照されやすくなるということは無い状態です。

現状LLMがLLMs.txt を使用しない最大の理由は、信頼性が低いからと言われています。悪質なSEO業者はHTMLコンテンツ内に隠しテキストやAIプロンプトを追加することで、競合他社よりも自社のコンテンツを宣伝させようとしています。実際に、「嗜好操作攻撃」というLLMを騙して、特定のコンテンツを推奨させやすくすることができたという研究論文もあります。参考:https://www.searchenginejournal.com/llms-txt-for-ai-seo/556576/

AI専用に変更可能なファイル=LLMs.txtは悪用される可能性が高く、ページ上のコンテンツに頼る方が安全なため、今のところLLMs.txtは使用されていないとみられます。

生成AIと広告-Copilot 広告

生成AIにおいて、Copilotには広告を表示することが可能です。

参考:https://help.ads.microsoft.com/apex/index/3/ja/60343

マルチメディア広告や製品広告、検索広告等に出稿することで、Copilotでも表示されます。
従来の検索広告と比較してクリック率やコンバージョン率が高いといったデータも発表されています。

Googleに関しては、2025年9月現在は米国版のGoogle検索のAIオーバービューでは広告を掲載することができ、将来的には日本でも広告表示が可能になる予定です。

ChatGPTでもスポンサー検索結果の実験を行っており、今後広告についても動向を注視していく必要があります。
今後、生成AIはWebサイトの集客へより大きく影響を及ぼしていくと考えられます。基礎となるSEO対策を実施したうえで、生成AIに関する最新情報もキャッチアップしていくことが重要となります。

各生成AIからの流入状況の確認方法は下記の記事に掲載しておりますのでぜひチェックしてみてください。

【初心者向け】GA4(Googleアナリティクス4)の参照元・メディア・チャネルを理解してサイト改善しよう

この記事を書いた人

Kiyone Ito

Marketing Director

大手家電メーカーサイト、大型商業施設やホテル・観光サイト、BtoB製品サイト、コーポレートサイトなど幅広い案件を担当。 特に、アクセス解析やヒューリスティック評価による、課題抽出や改善提案を得意とする。