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無意識のうちに権利侵害しないために!知っておきたいネットと著作権の関係

媒体に限らず、「画像」は情報を直感的に伝えるための重要な素材です。Webマーケティングにおいても同様で、Webサイトや広告にどのような写真やイラストを使うかによってユーザーの反応が大きく変わるため、画像のクオリティや印象には非常に気を使います。画像使用時に気にすべきことは他にもあります。その画像の「著作権」が誰にあるかということです。

自ら撮影・制作した画像や、正規のサービスを通じて入手した画像であれば問題はありませんが、「画像検索で見つけた」「SNSに上がっていたのを拝借した」といったような経緯で得た画像の場合、著作権を侵害している恐れがあります。仮に悪意がなくても、他者の著作権を侵害すると著作権者に迷惑を掛けるだけではなく、自社やクライアントの評判を悪化させたり、損害賠償請求に至ったりするケースもあります。そのような事態に陥らないためにも画像の著作権について学んでみましょう。

そもそも著作権とは

著作権法第2条第1項第1号では「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」を著作物と定義しています。より具体的には小説、論文、音楽、建築、地図、映画、プログラムなどが著作物に該当します(著作権法第10条)。もちろん写真やイラストも著作物です。著作物を作った人(著作者)には、自身の著作物を他者に勝手に利用されないように保護される権利が生じます。それが「著作権」です。著作権は著作物をつくると同時に発生する権利であり、第三者が無断で著作物を利用することを排除できます。逆に言えば、第三者は他人の著作物を無断で利用することはできませんし、もし勝手に他人の著作物を使用すると著作権侵害となります。著作権の侵害は10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金が科せられる可能性がありますし(著作権法119条第1項)、法人の場合には3億円以下という莫大な罰金が発生する可能性もあります(著作権法124条)。

以下のような行為は、Webマーケティングの現場で起こりうる著作権侵害の例です。

・Webデザイン、Web広告、SNS投稿などに、著作者の許可を得ずに写真やイラストを使用する

・他のWebサイトや書籍等に掲載された文章を、引用であることを明示せずに自社サイト等に掲載する

・他者が撮影した写真を無許可でトレースしてイラスト化し、自社サイトに掲載する

・自社で作成した動画コンテンツのBGMとして、他者が作成した音楽を無許可で使用する

・他のWebサイト上のコンテンツを複製して公開する

最後の「Webサイト上のコンテンツを複製して公開」をするとGoogleのペナルティの対象となります。無断で複製したコンテンツとみなされると検索順位に甚大な影響を及ぼすことになるため、著作権侵害だけでなくSEOの観点からも絶対にNGな行為と言えます。

知らないうちに著作権を侵害しないために気をつけるべきこと

現代はインターネットやSNSの発展によって誰もが著作物を発信できるようになっています。モノづくりの観点から見ると歓迎すべき時代と言えますが、一方で著作物へのアクセスが容易になったため、知らず知らずのうちに誰かの著作権を侵害するリスクも高まっているのです。Webマーケティング活動で画像を使用する際、無意識のうちに著作権侵害をしないために、次のようなことに気をつけていきましょう。

  • インターネット上にアップロードされている画像を無断で使用していないか

最も起こりがちな著作権侵害が「インターネット上にアップロードされている画像の無断使用」です。勘違いしている人も少なくありませんが、個人のSNSやブログなど誰もが無料で閲覧できる媒体にアップロードされている画像だからといって、誰もが自由に使用できるわけではありません。

また、よくオリジナル壁紙をプレゼントするキャンペーンなどが行われていますが、こうした画像は一般的に個人利用のみが許されているものであり、商用目的でデザインとして利用することはできません。インターネット上にアップロードされている画像は基本的にすべて著作権があります。どうしても自社媒体で使用したい時には、著作者に連絡を取って許諾を得るようにしましょう。

Web制作会社の場合、「クライアントから支給された素材が実は画像検索で見つけたものを勝手にダウンロードしたものだった」ということもあり得るので、素材の出所や権利関係をクリアにしているかは確認が必要です。
なお例外となるのが、著作者の死後50〜70年(日本の場合70年)が経過して著作権の保護期間が満了し、「パブリックドメイン」となった素材です。パブリックドメインとなった画像は原則的には誰でも使用可能となります(※)。
※ただし、著作者の名誉を傷つけてはならないよう保護される著作者人格権は存在し続けているため、著作者を貶めるような使い方はしてはなりません。

  • 素材サイトの画像の場合、正規の手続きを経て入手しているか

写真やイラストを販売する素材サイトの画像も、当然ながら正規の手続きを経て入手したものしか使用してはなりません。
ついつい行ってしまいがちなのが、「デザイン確認用に一時的にサンプルデータを使い、公開前に正規に差し替えようと思っていたものの、購入作業を忘れてしまいそのまま公開してしまった」というものです。無意識のうちに、悪意がなくても、こうした行為は著作権侵害に当たるため、必ず正規の手続きを経て入手した画像を使用するようにしましょう。

  • 著作権以外の権利侵害の恐れはないか

著作権侵害のリスクを回避するための一つの方法が、自社内、あるいは外部のカメラマンやイラストレーター、デザイナーに発注して画像を作成することです。ただしその場合でも著作権、さらには肖像権や商標権といった著作権以外の権利侵害に十分注意しなければなりません。
例えば自社でモデルとカメラマンを斡旋してサイト掲載用の写真を撮影したとします。それだけであれば問題ありませんが、その背景に有名な建築物が目立つように写り込んでおり、かつ著作者に無許可で撮影していた場合、親告があると著作権侵害になる可能性があります。

ほかにも、有名キャラクターのイラストや有名人の似顔絵を無断で描いて自社のWebサイト等に掲載した場合には商標権や肖像権、パブリシティ権の侵害に該当する恐れがあります。

その他注意すべきケースがあります。例えば、自社の実績を紹介するためにクライアント企業のロゴを自社サイトに掲載するということはよくありますが、既に関係性を構築できている間柄だからといって無許可でロゴを掲載してしまうと商標権の侵害になる恐れがあります。あるいは、新聞や雑誌等で自社が取材をされたことを紹介するために自社が掲載されたページの写真をSNS等にアップする行為も、無許可の場合は厳密に言えばNGです。どちらのケースも事前にクライアントや新聞社・雑誌社に一声かけて許可を取ればほとんど問題視はされませんので、多少面倒でも許可を得ることを心がけるべきでしょう。
(※本記事では著作権のみの説明ですが、コンテンツ制作でトラブルを起こさないためには商標権、肖像権、パブリシティ権も理解する必要があります)

素材サイト利用時に注意すべきこ

自分たちで画像を作成する以外に著作権侵害を回避する方法として考えられるのが素材サイトの活用です。有名なところで言えば「Getty Images」や「PIXTA」などが挙げられますが、これらのサイトで購入した写真やイラストを使用すれば、基本的に著作権を侵害する可能性は低いでしょう。ただし、正規の手続きで購入したからといっても、どのような利用方法をしても許されるというわけではありません。多くの場合、公序良俗に反する利用方法や、第三者に頒布するような使用方法もNGです。また同一のサイトから入手していても、ある著作者はOKでも、他の著作者の場合はNGとする使用方法などもあります(特にモデルに対して肖像権使用同意を得ているか否かによって使用方法が異なるケースが多いです)。有料の素材サイトだからといって安心せず、利用する前には必ず利用規約を読むようにしましょう。

今回紹介した以外にも、著作権侵害のリスクはそこかしこに転がっています。その逆に、いつの間にか自分たちの著作権が侵害されていたということも起こりえます。可能な限りリスクを排除してWebマーケティング活動に取り組むのはもちろんのこと、万が一何かが起こったときのためにも、日頃からWebや法律の専門家に相談できる体制を整えておくことを心がけるようにしましょう

まとめ

ここまで読んでいただいた方のなかには、 “著作権についても気を付けないといけないし、そもそもサイトの写真や素材選定はどうやればいいの?他には何に気を付けたらいいの?”とお困りの方も多いのではないでしょうか。
Webサイト上のテキストは、サラッと読み飛ばされることも多いですが、画像が視覚や感情に与えるインパクトは大きく、サイトに利用する素材選定はとても重要です。
また、専門用語が多いページなどはバランスよく画像や写真を配置して、ユーザーを飽きさせない工夫も必要ですし、最終的にサイト全体で統一感を意識した設計が必要になります。

アリウープではユーザーに伝えたいブランドイメージに沿っての素材選定や、ご提案、どの画像の印象が良いかを確認するためのABテストなどもご対応可能です。Webページ、コンテンツ制作でお困りの方はお気軽にご相談ください。

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