一覧へ戻る

サイトを作ることも、クルマをデザインすることも、 「モノづくり」の精神は、同じなのかもしれません

ダイハツ工業株式会社

情報発信する場所さえなかったデザイン部 0からのスタート

デザイン部のサイトを立ち上げるまでの経緯を教えてください。

大澤:私はクルマのデザイン業務に関わる採用を担当しています。今までダイハツ本体のサイトにデザイン関連の情報がほとんど無く、学生さんと接していても、“ダイハツデザインの良さ”を知ってもらうツールがなくて困っていました。
デザインサイトが必要だと問題意識を持ったのは数年前からですが、社内プロジェクトの優先順位など諸々タイミングがあわなくて…。
ただ、”立ち上げなければならない”という気持ちはどんどん強くなっていて、
そんな時に社内体制が変わったこともあり、GOサインがでました。

長池:競合他社はデザイナーを採用するためのサイトが当たり前のように存在しますが、我々は情報発信する場所すらないという部分で、大幅な遅れをとっていましたね。

ダイハツデザインを身近に感じてほしいと笑顔で語るお二人
左)採用担当の大澤様
右)デザイン統括室主任の長池様

先にダイハツ広報チームが別の会社とコーポレートサイトの改修を進めていて、そこからのご縁でアリウープを紹介して頂いたのですよね。 ご依頼いただく時の決め手などはあったのですか?

大澤:正直、制作会社を決める基準がよくわからなくてとても悩みました。
初めて、河野さん(弊社代表)と吉川さんにお会いした時、吉川さんがこまめに議事を取っておられ、「真面目でキッチリした仕事をしそうだな~」という予感はありました。
それが確信に変わったのは、二回目のお打合せでしたね。
私が前回のお打合せでポロっとこぼした程度の話も全て提案書に反映されており、感動したのを覚えています。 
決め手はスタート時というより、少しずつ走り出してから確信を持てたという感覚です。

長池:確かに、ここまでしっかりした提案と、細やかな資料は今まで見たことがありませんでしたね。
私はその中でもターゲットユーザーについての資料がわかりやすかったです。ユーザーの感情や動きをしっかり調べていて、こういうふうに考えていくのか!と目から鱗でした。

河田:ありがとうございます。最近の就職事情も徹底的に調べて、本当に学生さん向けだけでいいのか?…など、ヒアリングに入っていたキーワードから提案書を組み立てていきました。

大澤:私はそのヒアリングシートが細かくてびっくりしました!
おかげで自分自身の頭の中をしっかり整理するきっかけになりました。

長池:また、初めはサイトの目標設定方法もわからず、ゼロのものをこれからどう進めていくのか不明でした。
でもアリウープさんが、“ダイハツデザイン”に対して、可能な限りの情報を必死で得ようとする姿勢に驚きましたし、そこから出てきた資料には説得力があったんです。
後、打ち合わせの早い段階から、公開後の話もしっかり詰めていたことも信頼に繋がりました。作って終わりではないんだなと。

弊社スタッフと対談していただきました。
左から:弊社ディレクター吉川、河田

ダイハツ工業デザイン部の看板を一緒に背負うということ

プロジェクト開始後、”リクルートサイト立ち上げ”という目的だけではなくなりましたよね!?

大澤:そうなんです!当初リクルート関連の情報発信のみを考えていましたが、途中から“やるんだったらデザイン部全体のサイトを作ろう!”と意見が出てきて、どんどん大きなプロジェクトになっていきました。
最終的には「ダイハツデザイン部のサイト」という位置付けになり、責任と重圧が増えていく中で、私にできるわけない…と悩みましたが、アリウープさんがうまく誘導してくれて。実際、お互い丸投げではなく一緒に考えて進めていくという実感がありました。

河田:私たちも、これは課題が大きくなったぞと、気合を入れなおしましたね(笑)
そういえば、連絡手段もメールより電話が多かったですよね。
お互い「これどうですか?」とか気になった部分はすぐに電話して、疑問をその場で解決しながら進めていきました。

長池:あと、プロジェクト成功にはスケジュール管理が不可欠ですが、少し遅れた時もうまく軌道修正してくださったり、そういった面も助かりました。
厳しいことをいうと、いくら良いものができても納期を守らないと意味がないですからね。

吉川:そうですね。遅れが出た時に、どう立て直すか考えることも我々の仕事です。
でも素材集めなど色々ご協力頂けたのでスムーズに進んでいましたよ!
ここまで大規模になると承認フローが増えたり、社内調整の方が大変だったとお察しします…。
デザイン部のサイトということで写真一枚にしても、皆さんのこだわりがありましたもんね。

大澤:今回、とあるコンテンツで使用する写真の撮り直しがあって。
一回目の撮影後、「本当に自信を持ってこの写真を外に出せるか?」という疑問が社内からあがってきたんです。
初めは皆どこかで「サイト制作は指示通りやっていたら、簡単にできるだろう」と甘く考えていたのかもしれません。
でも再撮影の時には、現場立ち合い者も自然と増えていたんですよね。
このあたりから、皆の意識が変わっていった気がします。

吉川:自然とデザイン部全体を巻き込んでいったのですね。
それぞれが、”自分事”として捉えられるかが重要ですよね。

“やりなおし”ではなく“作りこみ” 確認と修正の期間をしっかりスケジュールに入れる

アリウープと仕事をしてよかったなという点はありますか?

長池:今まで、”こんなサイトになればいいな”という漠然としたイメージはあっても具体的に表現しづらく、うまくアウトプットできない事に悩んでいました。
社内承認を得るには、 “可視化されたデータ”が絶対に必要だったので、アリウープさんのWF(ワイヤーフレーム)などの資料は、承認や社内共有をする時にもわかりやすくて助かりましたね。
まったくWebがわからない人に文字だけで説明するのは難しいですが、絵や図をセットで見せることで、私たちがやりたいことを漏れなく伝えることができました。

やはりデザインに関わる者が多いので、見た目の印象には強いこだわりを持っていると思います。
ただ、先ほどの再撮影になった例で言うと、一般的にはネガティブな印象になる場合がありますが、私達はそうではないんですよね。
デザインの世界では“やりなおし”ではなく“作りこみ”と言います。
1発勝負に対して満足できない時も絶対あるので。

河田:そうですね。ちなみに弊社では、各工程で確認、修正期間をしっかり入れてバッファを持たせ、ある程度やり直しをしても大丈夫なようにスケジュールを組んでいます。
スピードを売りにしている制作会社は、その期間を設けていないところが多いんです。
工数が少なくなるため、費用の面ではたしかに安くなりますが、それが本当にお客様の課題や体制に合うかどうかをしっかり判断することが大切だと思います。
私達は、1つ1つの工程で”提出したものに対してお客様が納得して進められているか”を大切に考えているので…。

長池:おお!デザイン部でよく言っていることと一緒だなと今気付きました!
「モノづくり」の精神ですよね。サイトを作り上げることも、クルマをデザインすることも、同じ感覚なのかもしれませんね。

公開後の感想や、社内の声などはいかがでしたか?

大澤:早速、この時期には無かった中途採用の反響があり、「サイトの雰囲気が良くて応募をしました」と話してくれたそうです!
後は、公開日に部内メンバーがFacebookに載せたり、シェアしたり、盛り上げてくれましたよ。
公開直後は色々な事後処理もあったので、緊張感が残っていた部分もありますが、実際の声を聞くと『作ってよかったなあ』とジワジワ実感してきています!

長池:デザイン部の血がしっかり流れたサイトになっていることがうれしかったですね。私は公開日、家に帰ってすぐ家族に自慢しました!(笑)
でも、ここで満足したらダメですよね?

吉川:そういった話を聞くと、こちらもうれしいです!
そうですね、今がやっとスタート地点。ここからサイトをどう育てていくかが重要です。
サイトって初めはいくらディスカッションをしても、机上の空論になってしまいます。そうならないように、公開後はユーザー動向等を見てしっかり分析をし、新たなニーズを拾ったり、PDCAをまわしていかないといけませんね。

アリウープに期待することやご意見

大澤:初めにお会いした時と変わらず、キッチリ・真面目な印象ですが、吉川さん、河田さんの普段の会話から、アットホームな会社なんだろうと思いました。そういったあたたかい面も仕事に出ているというか。
あとは、私たちに心を開いてくださっていたので、こちらも安心して一緒に仕事ができました。
次は、私自身も作業コントロールしていきたいので、さらに細かくスケジュールについて教えてください!
これからもよろしくお願いいたします。

長池:今後は、まず”次の目標をどこにするか”を一緒に考えていきたいです。
雲の上のような高い目標ではなく、地に足付けた目標で一歩ずつ階段をあがっていきたいです。
ただし、 まだまだWebの初心者なので、こちらが間違ったことを言ったら、思いっきり否定してくださいね!(笑)
アリウープさんは取引先というより、もっと身近なイメージなんです。一緒に「モノづくり」をする仲間、一緒にゴールを目指す戦友のような。
これからも良い関係を続けつつ、腹を割って話していきましょうね!

吉川・河田:こちらこそ、よろしくお願いいたします!

インタビューを終えて

いつも打ち合わせの時は雨でしたよね(笑)と雨エピソードも沢山ありましたが、取材当日はとても良いお天気でした!熱意と柔らかさを兼ね備えたお二方のインタビューは当初予定していた取材時間を超えて盛り上がり、有意義な時間になりました。長池様、大澤様、大変貴重なお話をありがとうございました!

インタビュー実施日:2016年12月19日
公式サイト
http://www.daihatsu.com/jp/design/

一覧に戻る